一人暮らしで注文住宅を建てるのはあり?なし?メリットや気を付けたいポイントを解説

一人で暮らすライフプランを考えている方の中には、自分の財産になる一人暮らし用の注文住宅を建てる選択をされる方も増えてきました。一人暮らしで注文住宅を建てる場合、何を重視するのか、注意すべきポイント、また、どのような人におすすめなのかなどを理解したうえで検討することが大切です。この記事では、一人暮らしで注文住宅を建てるのはそもそも「あり」なのか「なし」なのか、またそのメリットとデメリット、注文住宅を建てるポイントなどを解説します。

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本記事は、金沢市・白山市・野々市市で不動産の購入・売却を行っているオスカー不動産 金沢店がご紹介しています。

1.そもそも一人暮らしで注文住宅ってあり?なし?

一人暮らしでも、注文住宅を建てるのは「あり」です。国勢調査の結果を見てみても、調査の度に単身世帯は増加しており、総世帯数に占める割合も高くなっています。

調査年 世帯数 割合
2000年 1,291万世帯 総数に占める割合 27.6%
2005年 1,445万世帯 総数に占める割合 29.5%
2010年 1,678万世帯 総数に占める割合 32.4%
2015年 1,841万世帯 総数に占める割合 34.6%
2020年 2,115万世帯 総数に占める割合 38.1%

統計局より引用

このように、単身世帯数の増加にともない、価値観やライフスタイルの多様化により一人暮らし用のコンパクトな注文住宅が注目され始めています。一人暮らしの注文住宅を建てるメリットが大きい人なら、建築はありといえるでしょう。

2.一人暮らし用の注文住宅を建てるメリット・デメリット

一人暮らしで注文住宅を建てることには多くのメリットがある一方で、デメリットももちろんあります。主なメリット、デメリットについて、下記に一覧表としてまとめてみました。

メリット デメリット
自分好みのデザインや間取りにできる 掃除や庭の管理が大変
騒音トラブルを避けられる 防犯面で心配
ライフスタイルの変化に対応しやすい 修繕にお金がかかる
資産になる 固定資産税がかかる
ライフステージの変化に対応しやすい 広さを持て余す可能性がある

ここでは、具体的な内容についてそれぞれご紹介していきます。

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建てるメリット

自分好みのデザインや間取りにできる

理想の暮らしを実現しやすい点は、注文住宅のメリットといえるでしょう。デザインや間取り、設備について自分好みのものにすることができ、さまざまなこだわりを反映できます。また趣味がある人は、趣味を楽しむための空間づくりが実現できるのも魅力です。例えば、ペットを自由に飼うことができたり、音楽好きなら楽器部屋、読書好きなら書斎部屋など、自分の趣味を思う存分に楽しめる家づくりができます。また、共同住宅のような住民同士の細かなルールも存在しないため、地域ごとのルールさえ守っていれば、比較的自由に生活できます。

騒音トラブルを避けられる

一人暮らしではマンションやアパートなどの共用住宅に住んでいることが多いと思いますが、建物の特性上、隣室との騒音トラブルが発生する可能性があります。距離が近いため、どうしても足音や生活音などが気になってしまいます。一方、注文住宅は一戸建てのため、共同住宅と比較すると騒音トラブルが発生する可能性は少ないです。足音や生活音を気にする必要がなくなるため、快適な暮らしを実現できるでしょう。ただし、騒音トラブルの心配が全くないというわけではありません。隣家と十分に離れていれば基本的に問題ありませんが、特に都市部などでは隣家との距離が近くなってしまいがちです。このような場合は騒音トラブルが発生する可能性が十分に考えられるため、注意が必要です。

ライフスタイルの変化に対応しやすい

一人暮らしの注文住宅はライフスタイルに合わせて建築できるため、自分にマッチした生活が送れるでしょう。また、ライフスタイルの変化に合わせて対応することもできます。マンションやアパートなどでは、間取りや設備が年齢の変化により不便と感じることがあるかもしれません。注文住宅は、あらかじめ間取りを変更しやすい設計にするなど、ライフスタイルの変化に応じてリフォームできます。

資産になる

土地と建物を所有すれば、家賃や管理費を支払わなくて済むようになります。家賃や管理費の年間支払額は相当な金額であり、これらは掛け捨てであるため、払い続けても不動産を所有できるわけではありません。しかし、注文住宅であれば家賃や管理費を払わなくて済むうえに、不動産という財産が手に入ります。財産としての持ち家は、何らかの事情で住み続けられなくなった場合でも売却や賃貸にすることも可能です。ただ、将来的に売却や賃貸を想定しているなら、個性的すぎる間取りやデザインよりも、シンプルなものがよいでしょう。なお、不動産を所有すると固定資産税が課税されることになるため、所有するからといって、費用がなくなるわけではありません。

ライフステージの変化に対応しやすい

注文住宅は将来のことまで考えて設計できるため、ライフステージの変化に対応した住宅とすることも可能です。ワンルームや1Kなどの賃貸物件に住んでいる場合、結婚や出産を迎えた時、部屋が手狭になって引越しを検討しなくてはならないケースもありますが、将来を見越して広めの間取りにしておけば、引越し費用も払う必要はなく、そのまま住み続けることができます。

建てるデメリット

掃除や庭の管理が大変

面積の広い住宅、庭がある住宅を建築した場合、掃除が面倒になることもあります。また、部屋以外にも庭の手入れ、特に夏場の草取りは大変な重労働です。そのため、注文住宅を設計する際には、掃除や庭の管理にどれぐらいの手間がかかるのか想定するようにしましょう。そのうえで、できるだけ手間が省けるような素材を選んだり、シンプルな間取りににしたりするのがおすすめです。

防犯面で心配

一戸建てはマンションと比較して人目に付きにくいことがあるため、防犯面に不安を感じる人も少なくありません。特に女性や高齢者の一人暮らしでは、気をつけたいポイントです。分譲マンションならオートロックや防犯カメラが設置されており、管理人がいるケースもあります。しかし一戸建ての場合、防犯性を高める設備は標準仕様になっていないケースがほとんどです。そのため、防犯対策として外部では「防犯カメラ」、玄関であれば「オートロックの電子錠・電気錠」「ピッキングに強い防犯性の高い鍵や補助錠」、窓には「防犯ガラス」「人が通れないサイズや開閉角度にする」「シャッターを設置する」などを検討してみてください。

修繕にお金がかかる

注文住宅は分譲マンションのような毎月積み立てていく修繕積立金などは必要ありませんが、屋根や外壁、設備については建物の所有者がメンテナンスすることになり、都度、費用がかかることになります。そのため、計画的に修繕費を貯蓄する必要があります。家族がいれば世帯収入から払うケースも多いですが、一人暮らしの場合は一人で負担しなければなりません。注文住宅を建築する前には、ハウスメーカーにメンテナンス費用の目安を確認し、貯蓄しつつ生活できるのか検討しておきましょう。また、あらかじめ長持ちする素材を選ぶなどの対策も検討してみてください。

固定資産税がかかる

注文住宅では家賃や管理費を払う必要はありませんが、そのかわり、土地・建物を所有することで、それぞれに固定資産税が課税されます。固定資産税とは、所有する土地と建物などの固定資産に課せられる地方税です。固定資産税は毎年度課税され、土地の広さや立地、建物の構造や面積によって課税額が変わります。納付のタイミングは各自治体ごとに定められており、年4期に分けて支払うのが一般的です。

なお、新築住宅の場合、最低3年間は建物の固定資産税が半額になります。期間が過ぎると元の税額になる点には注意が必要です。また購入のタイミングや建物の構造・設備・環境などの条件を満たす長期優良住宅なら、減税期間が5年に延長されます。

広さを持て余す可能性がある

メリットとしてライフステージの変化に対応しやすいことを挙げましたが、その反面、考慮しすぎると、広さを持て余す可能性があります。結婚や出産といった家族が増えるケースを想定する場合、建築する建物には一定の面積が必要です。しかし、子どもが独立して夫婦二人になると、広い部屋がかえって負担になります。老後まで考慮しておかないと、高い建築費を払った分だけ損してしまうおそれもあります。また、建物を大きくすることで、光熱費が上がる可能性も頭にいれておきましょう。このように、注文住宅を建築したことで損しないためにも、ライフステージの変化は老後までしっかりと考えておきましょう。

3.一人暮らしでの注文住宅はこんな人におすすめ

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このようにメリット、デメリットはありますが、注文住宅ではさまざまなこだわりを反映できるなどの魅力があります。ここでは、一人暮らしで注文住宅が向いているのはどのような人なのかを紹介します。

結婚予定がない人

独身期間が長くて結婚する予定がない場合、ライフステージの変化をあまり考慮する必要はないため、自分の思ったとおりの住宅を建築できます。一人暮らしの注文住宅は自分の好きなように設計して住めることがメリットではありますが、ライフステージの変化に対応するため、建物・環境について将来的な住みやすさについても検討する必要があります。しかし、結婚する予定がない場合、自分だけのデザイン・間取りにしても問題ないため、おすすめといえます。

こだわりのインテリア・デザインを実現したい人

インテリアや間取りにこだわりがある人にもおすすめです。分譲住宅や分譲マンションの場合、万人受けするインテリアやデザインを採用しており、こだわりたい人にとって満足できるものではないはずです。しかし、注文住宅なら吹き抜けを設置したり、クロスを自分好みのデザインにしたりすることができます。細かな部分まで設計すれば部屋ごとに違う色彩にする、和風・洋風の部屋を設置するといったことも可能です。

趣味がある

自宅に趣味を楽しむための環境が欲しい人は、一人暮らしであっても注文住宅向きといえます。自慢のコレクションを見栄え良く見せるスペース、趣味を活かせる場所など特徴的な設備は一般的な不動産には付いていないものです。ですが、注文住宅であれば、自分の好きなように空間を使いたい、趣味の部屋が欲しいなどの希望があれば、それに適した部屋や庭をつくることも可能です。

また、ペットの暮らしやすさを重視する人にもおすすめです。猫を飼っているのであれば空中にステップを設置したり、キャットドアにして出入りしやすいようにしたりすることが可能ですし、犬を飼っているなら、ドックランや室外の洗い場を設置することもできます。ペットを優先した間取り、エクステリアにすれば、自分もペットも幸せに暮らせる住宅が手に入ります。

土地を所有している

相続などですでに土地を所有している場合、注文住宅を建てて活用するのも良いかもしれません。一人暮らしで注文住宅を建築する場合、土地購入費用から建物の建築費用まで一人で負担する人がほとんどです。すべての費用を負担するのは大変ですが、すでに土地を持っているのであれば負担が軽くなります。土地の購入費用が抑えられれば、建物の予算が増えてより自分好みの家を建築できるはずです。

4.気を付けたいポイント

間取りや家の形をシンプルにする

一人暮らしの注文住宅は、シンプルで住みやすい家を意識するのがポイントです。こだわりが強くなりすぎると生活のことよりも、趣味や好みのことを重視するようになってしまう人がいます。住宅はあくまで生活する場所であり、ストレスなく日常を送れる家を建築することが大切です。たとえば、生活・家事動線をコンパクトにすれるだけでも日々の生活が楽になり住みやすい家になります。

将来的な変化に対応できるようにする

年齢などによりライフスタイルや必要なものは変わっていくため、暮らしの変化に対応しておくのもポイントです。たとえば、高齢になったときの暮らしを想定し、2階建てではなく平屋を建てる、あらかじめバリアフリー住宅にしておくなどが挙げられます。また、水回りの設備をまとめて設置しておけば、年齢による暮らしの変化にも対応しやすくなります。このように、老後の生活までシミュレーションすることで、ライフステージの変化に対応可能な長く利用できる住宅となるでしょう。

売却や賃貸することも想定しておく

注文住宅を建てる際は売却や賃貸を想像できないかもしれませんが、その可能性を想定し対策しておくのも重要です。シンプルなデザイン、交通アクセスや周辺環境、耐震性や断熱性、気密性など、建物の性能など万人受けする不動産は買い手・借り手がつきやすくなります。一人暮らしの注文住宅は特徴的な間取りになりがちですが、一人暮らしできなくなるケースも想定し、売却・賃貸に出せる建物なのか考慮しましょう。

5. まとめ

注文住宅を建築することは固定資産税や修繕費用などの維持費を一人で負担しなくてはいけないデメリットがありますが、好きな間取りやライフスタイルに合わせた住宅を検討できる他、騒音や振動のトラブルが少なく、一人暮らしの方にもおすすめの選択肢です。また、賃貸と違い、家という財産を持つことができるので、将来的に売却や賃貸を検討することもできるでしょう。なお、一人暮らしで注文住宅を建てる場合は、防犯面の考慮や将来を見据えた間取りの検討も忘れず、長期的に安心して暮らせる住まいづくりを意識するとよいです。

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