住宅購入前に知っておく知識「ハザードマップ」「地形と地盤」「地震対策」

日本国内では毎年どこかで洪水、土砂災害、地震などの災害が発生しております。石川県でも令和6年の能登半島沖地震、奥能登豪雨、令和4年にも小松市を中心に大雨による浸水被害があったのが記憶に新しいところです。
今後に備えるためにも自治体が公表している「ハザードマップ」「地形」「地震対策」などの情報を日ごろからチェックしておきましょう。また不動産購入や新築住宅を建築する前には災害のリスクがないか十分に把握した上で進めていきましょう。

「ハザードマップ」とは

災害の備えとして活躍するのが「ハザードマップ」です。ハザードマップには洪水、津波、土砂災害など災害の種類別に自治体が作成しています。、自然災害による被害を軽減したり、防災対策をしたりするために作成される地図です。

「洪水ハザードマップ」には、想定浸水区域(想定浸水深さ)や避難先などが記載されています。また「土砂災害ハザードマップ」にはがけ崩れや土石流、地すべりなど発生しやすいエリア「土砂災害警戒区域」「土砂災害特別警戒区域」などが記載されています。

日頃から飲料水や非常食を備えておき、懐中電灯や充電器などを持ち出せるように防災バックなどを準備しておきましょう。災害の「備え」チェックリスト|首相官邸ホームページ

石川県各自治体のハザードマップ リンク先

市町村 種類
金沢市 洪水ハザードマップ
ため池ハザードマップ
津波ハザードマップ
土砂災害ハザードマップ
野々市市 洪水ハザードマップ
内水ハザードマップ
白山市 洪水ハザードマップ
高潮ハザードマップ
津波ハザードマップ
土砂災害ハザードマップ
内灘町 洪水ハザードマップ
内水ハザードマップ
津波ハザードマップ
土砂災害ハザードマップ
津幡町 洪水ハザードマップ
ため池ハザードマップ
土砂災害ハザードマップ
かほく市 洪水ハザードマップ
ため池ハザードマップ
津波ハザードマップ
土砂災害ハザードマップ
小松市 洪水ハザードマップ
津波ハザードマップ
土砂災害ハザードマップ

その他の市町村は、ハザードマップポータルサイトから検索下さい。

「地形」と「地盤」の関係とは

地形について

金沢市は、犀川と浅野川が平行に流れており、あいだには兼六園を先端に小立野台地(※下記画像ではローム台地)を形成しております。また寺町なども台地を形成しています。これらの地域はおおむね地盤が強い地域とされております。兼六園から金沢駅にかけては扇状地が広がっており、こちらも地盤は安定しております。金沢駅から海側(北)にかけては海岸平野・三角州が広範囲に広がっており、これらの地域は軟弱地盤が多いとされております。

引用元:地盤サポートマップ

地形ごとに地盤の強さの傾向は変わります。台地・丘陵地は地盤が安定していて、低地は地盤が軟弱な傾向があります。地域の地形を知ることで地盤に対する備えも出来そうです。

地形の種類 地盤の強さの傾向
台地・丘陵 おおむね良好な地盤
低地 一般面 谷底平野
氾濫平野
後背湿地
旧河道
海岸平野
三角州
軟弱地盤が多い
微高地 自然砂防
砂州
砂推
扇状地
比較的地盤は良い
人工地盤 干拓地
埋立地
埋め立ての土砂や精度に左右される

地盤の強さとは

2000年6月1日以降の建築確認では地盤調査が義務付けられ、『建築基準法施行令』第38・93条に定めらております。住宅ではあれば代表的な地盤調査の工法「スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)」を行った上で地盤の地耐力や地層、深さなどを調べます。地盤の強さによって、住宅基礎の大きさや仕様を変えたり、さらに地盤改良工事が必要となります。地盤が強ければ、建築にかかるコストを抑えることが出来ます。逆に地盤が弱ければ、地盤補強・改良費用が増加します。

第三十八条 建築物の基礎は、建築物に作用する荷重及び外力を安全に地盤に伝え、かつ、地盤の沈下又は変形に対して構造耐力上安全なものとしなければならない。

 

引用元:e-Gov法令検索『建築基準法施行令』第38条

第九十三条 地盤の許容応力度及び基礎ぐいの許容支持力は、国土交通大臣が定める方法によつて、地盤調査を行い、その結果に基づいて定めなければならない。

 

引用元:e-Gov法令検索『建築基準法施行令』第93条

引用元:地盤サポートマップ

「地震対策」するには

液状化リスクの高い地域は慎重に

大地震の発生などにより地盤が液状化すると、建物の不同沈下や設備配管の破損など、建物やその周辺に様々な被害を及ぼします。液状化のおそれのある土地に住宅を建てる際は、液状化対策に留意する必要があります。令和6年度の能登半島沖地震では、新潟県、富山県、石川県、福井県内で液状化現象が発生した地域があります。

金沢市周辺では、かほく潟や大野川周辺などが液状化の可能性があります。また能登半島沖地震で被害の大きかった内灘町西荒屋、室、宮坂地区、鶴ヶ丘地区、かほく市大崎地区も可能性が高い地域でした。

引用元:地盤サポートマップ

建物の耐震性を上げる

大地震の備えとしては、建物の耐震性を高めることも必要です。新築住宅を今から購入、建築する場合は、なるべる耐震性の高い建物(耐震等級3など)を購入しましょう。販売されている物件によっては、「耐震等級3」「耐震等級3相当」など表示の仕方が違うことがあります。※認定を取っているかの違いです。また中古住宅を購入する場合は、2000年6月以降に建てられた建物(現行基準の耐震性)から選ぶと良いでしょう。また古い建物でも耐震補強という選択肢もあります。

「中古住宅購入+耐震補強」のメリット・デメリット

家具家電を固定する

大地震で気を付けたいのが、家具や家電の転倒です。震度6弱以上の地震では固定されていない家具や家電が転倒する可能性が高くなります。寝室等に家具家電を設置している場合は、避難経路がふさがれたり、就寝中であれば大けがにつながる可能性あるため、突っ張り棒や金具などで固定することが必要です。自治体によっては家具転倒防止器具などに補助金を出しているところあります。まずは相談をしてみましょう。

>いのちを守る地震対策 – 金沢市

地震保険への加入

地震保険は火災保険に付帯する方式での契約となるため、火災保険への加入が前提となります。すでに火災保険を契約されている方は、契約期間の中途からでも地震保険に加入できます。近年大きな地震が幾度も発生しており、地震等による火災・倒壊などの被害に備えるためにも地震保険は必要です。

地震保険は地域によって大地震の発生リスクが変わるため、保険料も異なります。また構造や耐火性、耐震性によっても割引率などが変わります。詳しくはこちらをご覧下さい。

>備えて安心 地震保険の話|日本損害保険協会

まとめ

いかがでしょうか。防災などの知識を事前にインプットすることで不動産の選びも変わってきます。金沢市近郊で不動産購入をご検討中に方は、オスカー不動産までお問い合わせください。

執筆者

株式会社OSCAR オスカー不動産(アピタ金沢店)

加賀谷貴志 お問合せはこちら

2004年新卒入社後、工事管理、リフォーム営業、商品開発などの業務を歴任。2015年より中古住宅のインスペクション業務(検査)を担当。現在は不動産事業の仲介業務を担当。保有資格(宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、二級建築士、既存住宅状況調査技術者、耐震診断・耐震改修技術者)

 

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