賢いマイホーム計画のためには、住宅新築に関する支援制度について知っておく必要があります。今回は、白山市にて一定の基準や条件を満たした新築の家を建てたり購入したりした際に利用できる助成金について解説します。
本記事は、金沢市・白山市・野々市市で不動産の購入・売却を行っているオスカー不動産 金沢店がご紹介しています。
1.住宅取得における国の助成金
まず、国の支援策から見ていきましょう。こちらは白山市に限らず、どの市町村でも利用可能な助成金となります。
子育てエコホーム支援事業
子育てエコホーム支援事業は、エネルギー価格などの物価高騰の影響を受けやすい子育て世帯・若者夫婦世帯に対して高い省エネ性能を有する新築住宅の取得や、住宅の省エネ改修等に対して支援することを目的とした助成金です。補助金額は、以下のとおりとなります。
補助対象事業 | 対象者 | 補助金額 |
---|---|---|
注文住宅の新築 | 建築主(子育て・若者世帯) | 長期優良住宅:100万円 ZEH仕様住宅:80万円 |
新築分譲住宅の購入 | 建築主(子育て・若者世帯) | |
省エネリフォーム | 工事発注者 | ① 省エネリフォーム 子育て・若者夫婦世帯:最大30万円 その他世帯:最大20万円 ② 既存住宅を購入して省エネリフォームを行う場合 子育て・若者夫婦世帯:最大60万円 その他世帯:最大20万円 ③ 省エネリフォームと同時に長期優良住宅改修を行う場合 子育て・若者夫婦世帯:最大45万円 その他世帯:最大30万円 |
こちらについては、以前に詳しく解説しております。詳細につきましては、下記の記事をぜひご覧ください。
2.石川県での住宅取得で利用できる助成金
続いて、県の支援策について見ていきます。こちらも金沢市に限らず、どの市町村でも利用可能な助成金となります。
住まいの省エネ促進事業費補助金
県内に自ら居住することを目的として住宅を新築(購入)、もしくは既存住宅を改修をした方を対象とした住宅取得支援制度です。利用には以下の条件を満たすことが求められます。
- 国補助金(子育てエコホーム支援事業)の交付をうけたもの
- 過去に当該補助金の交付を受けていない住宅
- 県が認定するゼロエネ住宅アドバイザー(認定見込みも含む)又はエコ住宅アドバイザーの監修のもとで新築等を行ったもの
- エコファミリーへの登録
補助金額は、以下のとおりとなります。
対象工事 | 補助金額 |
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ZEH(※1)の新築(購入) | 20万円 |
Nearly ZEH(※2)・ZEH Oriented(※3)の新築(購入) | 10万円 |
開口部の断熱改修 | 国補助額の1/2(上限5万円) |
※1 ZEH(ゼッチ)とは省エネ基準から20%以上の一次エネルギー消費量を削減したうえで、再生可能エネルギー等の導入により100%以上の一次エネルギー消費量削減を達成する住宅を指します。一次エネルギー消費量とは、1年間に住宅設備で消費するエネルギーの指標です。先ほど解説したZEHの3つの特徴のうち、断熱と省エネによって一次エネルギー消費量を20%以上削減でき、創エネを含めて一次エネルギー消費量を100%以上削減できることがZEHの条件になります。
※2 NearlyZEH(ニアリー・ゼッチ)とは、断熱と省エネによって一次エネルギー消費量を20%以上削減することに加え、創エネを含めて一次エネルギー消費量の削減が75%以上100%未満の住宅です。断熱と省エネによる条件はZEHと同じですが、創エネを含めた条件はZEHよりも緩和されます。NearlyZEHは日照時間が少ない寒冷地や降雪量が多い地域を対象としたもので、太陽光発電などによる創エネが十分にできないことが考慮されています。
※3 ZEH Oriented(ゼッチ・オリエンテッド)は、断熱と省エネによって一次エネルギー消費量を20%以上削減することが条件です。創エネを含めた一次エネルギー消費量削減の条件はありません。ZEH Orientedは東京都23区などの都市部狭小地や多雪地域に建築された住宅のみが対象です。具体的には北側斜線制限の対象となる用途地域にあり、敷地面積は85㎡未満という条件があります。日照時間が少なく創エネが難しい都市部狭小地でも導入できるのがZEH Orientedの特徴です。
詳しくはこちらから ⇒ 住まいの省エネ促進事業費補助金
いしかわの森で作る住宅推進事業
県産材の利用促進のため、県産材を使用した住宅などに対して支援制度を実施しています。
- 「県産材建築ビルダー※」が建築する住宅等の新築・増改築又は購入であること ※いしかわ森林環境税を活用した県産材利用促進の趣旨に賛同する旨を宣誓し、県による登録を受けた事業者
- 延べ床面積70㎡以上(新築の場合のみ)であり、引渡日が、事業実施年度の4月1日以降の住宅等であること
- 木塀・ウッドデッキについては、県産材を使用した施工面積に助成単価(木塀5千円/㎡、ウッドデッキ10千円/㎡)を乗じた金額が5万円以上であること(上限15万円)
- 県産材取扱業者(合法木材供給事業者)が発行する「県産材産地及び合法木材証明書」を提出すること
- 県が実施する「いしかわの木を活かす民間施設普及拡大事業」の補助金助成の採択を受けていないこと
県産材使用料 | 補助金額 |
---|---|
5㎥-7㎥未満 | 7万円 |
7㎥-15㎥未満 | 10万円 |
15㎥-20㎥未満 | 15万円 |
20㎥以上 | 30万円 |
25㎥以上かつ県産材使用率90%以上 | 50万円 |
木塀・ウッドデッキ | 5万円-15万円 ※施工面積に助成単価を乗じた金額 |
詳しくはこちらから ⇒ いしかわの森で作る住宅推進事業
3.白山市での住宅取得で利用できる補助金
ここからは、白山市で利用できる住宅取得支援制度になります。
白山市では定住促進支援制度として、「若者・子育て世帯定住奨励金」「白山ろく地域定住奨励金」「三世代ファミリー同居定住奨励金」の3つの制度
制度 | 主な要件 | 補助金額 |
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若者子育て世帯定住奨励金 | ・45歳未満 ・延床面積75㎡以上(平屋55㎡以上)かつ280㎡以下 ・住宅ローンの償還期間が10年以上 |
最大90万円 (基本額)30万円(ローンの10%以内) (加算額)35歳未満の若者世帯 20万円 18歳未満の子のいる世帯 30万円 婚姻3年未満の新婚世帯 10万円 |
白山ろく地域定住奨励金 | ・延床面積75㎡以上(平屋55㎡以上)かつ280㎡以下 ・住宅ローンの償還期間が10年以上 |
100万円(ローンの10%以内) |
三世代ファミリー同居奨励金 | ・新たに三世代同居を始める ・新築等の費用が100万円以上 ・同居開始の前後6か月以内に工事完了 |
新築の場合・・・最大90万円 (基本額)60万円 (加算額)35歳未満の若者世帯 20万円 婚姻3年未満の新婚世帯 10万円 リフォームの場合・・・30万円 |
若者子育て世帯定住奨励金
45歳未満で白山市に新築の家を建てる、または購入する世帯を対象としています。
基本の補助金額は、ローンの10%以内の30万円までです。これに、「35歳未満の若者世帯」では20万円、「18歳未満の子どもがいる世帯で30万円、「婚姻して3年未満の新婚世帯」では10万円がそれぞれ加算され、条件をすべて満たした場合に最大90万円の補助金を受け取ることができます。利用条件はほかに、住宅ローンの返済予定が10年以上であることや、一定の延床面積(75㎡以上かつ280㎡以下※平屋では55㎡以上)を要することなどがあります。
詳細 → 白山市HP 若者子育て世帯定住奨励金
白山ろく地域定住奨励金
白山ろく地域に新築の家を建てる、または購入する世帯を対象としています。
補助金額は、ローンの10%以内の100万円までです。白山ろく地域ですが、具体的には白山市の南部に位置する、河内・鳥越・吉野谷・尾口・白峰の5地区から成り立つエリアです。制度の利用には、若者・子育て世帯定住奨励金制度と同様に、住宅ローンの期間や、延床面積の基準を満たすことが条件となります。
詳細 → 白山市HP 白山ろく地域定住奨励金
三世代ファミリー同居奨励金
18歳未満の子どもがいる親と、祖父母が新たに同居する世帯を対象としています。
親子三世代で同居するために新築の家を建てる、または購入する、もしくはリフォームする場合に助成金を受け取ることができます。新築の場合は基本の補助金額が60万円となっています。これに、「35歳未満の若者世帯」で20万円、「婚姻して3年未満の新婚世帯」で10万円が加算され、条件をすべて満たした場合に最大90万円の補助金を受け取ることができます。リフォームの場合の補助金額は30万円となっています。いずれも同居を開始した日から起算して前後6か月以内に新築またはリフォームが完了することが条件となりますので、申請手続きには十分に注意しましょう。
空き家改修補助金
白山市の空き家バンクに登録されている住宅の、持ち主や購入者、賃借人が利用できる制度です。物件の改修・修繕に10万円以上の費用が発生した場合、補助を受けられます。補助金額は、最大50万円(改修にかかった費用の2分の1以内)となっています。制度の利用には、改修等(主要構造部、台所、トイレ、風呂など生活に必要な改修)に要した費用が10万円以上であることが条件となります。また、登録物件の成約後、改修前に申請が必要となりますので注意が必要です。
耐震補助制度
中古住宅の耐震改修工事を検討される場合の支援制度になります。
地震による建築物の倒壊等の災害を未然に防止し、市民の安全を確保するため、住宅・建築物の簡易耐震診断が行われています。申請者から提出された図面に基づき、診断する場合には診断にかかる費用は無料となっています。ただし、図面がない場合もしくは住宅所有者が希望する場合は、一部自己負担により目視による現地調査を実施します。また、対象となる住宅・建築物は、在来軸組構法、伝統的構法及び枠組壁構法による木造の住宅(店舗併用、長屋、共同住宅、寄宿舎及び下宿を含みます。)で、昭和56年5月31日以前に建築され、又は工事に着手したものとなっています。
耐震改修工事を行う場合にも、工事に要する費用に対して、その一部が補助されます。補助金額は、耐震改修工事に要する費用の10分の10で、最大150万円となります。対象となる住宅・建築物は、耐震診断と同様に在来軸組構法、伝統的構法及び枠組壁構法による木造の住宅(店舗併用、長屋、共同住宅、寄宿舎及び下宿を含みます。)で、昭和56年5月31日以前に建築され、又は工事に着手したものとなっています。
エコハウス設備設置費補助
エコな生活につながる住宅設備の設置費用の一部を補助するものです。
補助対象設備 | 補助率 | 補助額 |
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(ア)住宅用太陽光発電システムと住宅用蓄電システムの併設設置 | 補助対象費用の2分の1に相当する額 | 最大10万円 |
(イ)住宅用蓄電システムの付加設置 | 補助対象費用の2分の1に相当する額 | 最大5万円 |
(ウ)HEMS(住宅用エネルギー管理システム)の同時設置 ※(ア)又は(イ)と同時に設置する場合に限る |
補助対象費用に相当する額 | 最大1万円 |
(エ)木質バイオマスストーブの設置(薪又はペレットストーブ) | 補助対象費用の2分の1に相当する額 | 最大8万円 |
(オ)家庭用小型風力発電機の設置 | 補助対象費用に相当する額 | 最大6万円 |
(カ)住宅用太陽熱利用システムの設置 | 補助対象費用に相当する額 | 最大3万円 |
(キ)開口部の断熱改修 | 補助対象費用の2分の1に相当する額 | 最大5万円 |
これらが、白山市で利用できる住宅取得支援制度になります。
まとめ
本日は、国・県を含め、白山市での住宅取得で利用できる支援制度についてご紹介しました。今回取り上げた制度以外にも、取得する物件の状況によって活用できる制度もありますので、事前に調べておくことをおすすめします。自治体の助成金や補助金、各種支援制度をうまく活用して、賢く住宅を取得しましょう。