少しずつ変化を遂げている、中古住宅事情。今回はその詳細をお伝えしたいと思います。
中古住宅業者に税優遇
2017年12月7日付「日本経済新聞」に、政府・与党が2018年度税制改正での住宅関連税制の見直し案を固めたと発表しました。具体的には次の内容です。
「中古・リフォームの仲介業者を対象に、住宅の敷地を買い取る際の税金を減らす。個人向けでは、新築住宅の固定資産税の減額措置を延長する」
「リフォーム市場では、仲介御者が中古の住宅を買い取って改築、そのうえで新たな買い主に転売するケースが多い。政府・与党はこの点に着目、仲介業者向けの税優遇を拡充することにした」
「これまでは、中古物件の取得時に固定資産税評価額の2分の1に対して、3%の不動産取得税が課税される仕組み。敷地購入の段階で、取得税の減税措置を導入する。土地1平方メートルあたりの評価額などを勘案した金額か、実額4万5千円のどちらかを軽減策として選べるようにする。
仲介業者を通じて住宅を取得する人向けの一連の減税措置は延長する。
個人の場合も本来、固定資産税評価額の0.3%分を登録免許税として納める必要があるが、0.1%とする措置を続ける」
参考資料:日本経済新聞「中古住宅業者に税優遇 政府・与党案 リフォーム販売巡り」(2017年12月7日付)
また、来年10月から実施する予定となっている消費税10%については、今月15日の臨時閣議で、住宅ローン軽減の延長、すまい給付金の拡充も発表され、今後の動向が気になります。
インスペクション制度
2018年4月1日より、宅地建物取引業法が改正され、中古住宅売買の流れの中に、インスペクション(建物状況調査)に関する規定が盛り込まれました。
インスペクションとは、国土交通省の定める講習を修了した建築士が、建物の基礎・外壁など建物の構造耐力上主要な部分及び雨水の浸入を防止する部分に生じているひび割れ、雨漏り等の劣化・不具合の状況を把握するための調査です。
中古住宅の売買の仲介(媒介契約)の際、宅建業者は売主または買主に耐震補強の必要性などを説明する義務が生じます。注意したいのは、「説明」の義務化であり、「調査自体」の義務化ではありません。ただ、説明義務があるのは、リスクが減る可能性が大きいです。
インスペクションのメリット
買主がインスペクションを実施するメリットを、以下に記します。
- より安心して購入の判断ができる。
専門家の調査により建物の状況が把握でき、より安心して購入の判断ができる。 - メンテナンスの見通しが立てやすい。
購入後のリフォームやメンテナンス等の予定を見込んだ取引が可能になる。
以前からあったインスペクションですが、これを機に注目されるようになると、中古住宅の価値が上がり、マイホーム購入の夢も現実的なものになるのではないでしょうか。ちなみに筆者の自宅は中古ですが、快適に住んでいますよ。