家を買うことを考えたときに、一番最初に考えておくべきこと
自分にはどんな家が一番合っているのか…みなさんどうやって判断しますか?マンションなのか一戸建てなのか?そして、新築が良いけど中古も良いと聞くし…あるいは、本当は土地から買って注文建築するのが理想という方もいるでしょう。中にはその答えが見つからないままに家探しを始めてしまう方も。
特に多いのが最初に見た家で夢が膨らみ、現実が見えなくなってしまうケース。新築住宅や新築マンションのモデルルームはその典型なのかもしれません。
しかし、つい家を買う事自体が目的になってしまう場合が多く、将来は親の家を継承する可能性があることなど、前もって想定できるはずのことを忘れてしまいがちです。
例えば、次のようなケースにように、ライフスタイルや家に求めるものによって、それぞれ異なる視点が出てきます。
ケース | 検討すべき内容 |
---|---|
お子さんが大きくなってから購入する家の 場合 | その家に子供たちと一緒に過ごせる時間があとどれ位なのか?そこを考慮して家選びをしないと、長い住宅ローンの内のほとんどを夫婦二人で暮らす結果となり、部屋が広すぎるという問題も起きてきます。 |
永住の地として購入?転売の可能性がある 場合 | ずっと住むところなのか、または転売を検討している場合でも、少し違った判断基準が必要でしょう。転売を考えた場合には、売却しやすい住宅である必要性があるかも知れません。 |
転勤の多い仕事をされている 場合 | 単身赴任するのか?あるいは、家族で一緒に引っ越すのか?第三者に貸すとしたら?という視点も必要かも知れません。 |
完成してから買うか?完成前に買うか?
家づくりはまずは土地から
家探しをする場合に、まず「土地を持っているか、もっていないか?」が最も大きな分かれ道です。土地を持っているのでしたら、好きな建物を建てることが可能ですので、自ずと「注文建築」になります。もちろん注文建築と言っても、大手ハウスメーカーから地元の工務店まで幅広い選択があります。
そして、土地を持っていない場合には、「マンション」か「一戸建て」という選択をすることになります。またそれぞれに「新築」と「中古」がありますが、実際には「新築」であっても、まだ着工していない段階で購入する場合と、建築途中に購入する場合、そして完成後に購入する場合とに分かれます。
完成前に入る場合と、完成後に入る場合の違い
完成した部屋で、生活しているイメージしてからの方が購入判断し易いのは言うまでもありません。特にマンションは、所在階によって出来てから見える部屋からの景色も微妙に違いますから、より一層完成後の方が購入判断をしやすいと思います。
一方、着工してない段階で購入する場合にもメリットはあります。それは、内外装に一部自分の好みを反映できる点です。 建築が進む段階によっては既に材料が発注されている場合もあるため、すべて要望に応じることは不可能ですが、最近の売り主は、概ね買い主の要望を聞き入れようとする姿勢がありますので、例えばキッチンやお風呂の色、クロスの柄や床の色を選ばせてもらえるかもしれません。
住宅の主な種類
1. 注文建築 VS 新築分譲住宅 & 中古住宅
住宅を取得するには、その種類によっていくつかの違いがあります。 例えば「注文建築」といっても、大手ハウスメーカーから地元の工務店まで幅広い選択肢がありますが、この選択肢が「マンション」や「一戸建て」を購入する方法と大きく違うのは、土地を購入する相手と、建物の建築を依頼する相手が違うということです。つまり、相手が2社になります。
「注文建築」は、土地探しと建築業者探しの2つをほぼ同時に進めなければなりません。土地を探すのは手間がかかるというのが一般的なイメージです。これは、実際のところ土地としての売り物が少ないということもありますが、購入したいエリアで、ちょうどいい大きさの土地を見つけるのが大変であるということでもあります。
土地を見つけられた場合には、まず土地を購入することが先になりますので、土地と建物を同時に取得できないのが、注文建築の問題でもあります。
建築会社を探しながら、土地も引き渡しを受けるという時間的なズレが生じるために、建物を建築している間は、元の自分の家の家賃を払いながら、かつ土地のローンがスタートするという二重払いを覚悟しなければなりません。 また、土地は手に入ったものの希望する間取りが建築できないということもあります。多くのハウスメーカーでは土地探しから協力してくれるところもあるので、気に入ったハウスメーカーの営業担当者に気軽に相談してみてもいいかもしれません。
一方、新築分譲住宅や中古住宅については、注文建築の問題点は発生せず土地を所有している会社と建物を建築する会社はだいたいの場合において同じです。完成している住宅を購入すれば、なお引き渡しはスムーズにいきます。 ただし、注文建築との決定的な違いは、間取りの自由度です。いわゆる「建売り」となりますので、間取りは売る側が決めたものになります。 着工する前に契約するなどで、買う側の希望を取り入れてもらえる場合もありますが「注文建築」の自由度の比ではありません。
2. 建築条件付売地
土地から探して注文建築をするのと新築分譲住宅の中間的な方法として「建築条件付売地」というものがあります。これは、建売りと同じく土地と建物は同じ会社が売主になりますが、契約する段階ではまだ建物は建っておらず、買主の要望を取り入れて設計し建築するという方法です。
まず土地の契約をし、建物のプランについての打合せを行い、プラン等が合意されたら建物に関する請負契約を契約するというものです。万一、建物のプラン等について合意できなければ、土地の契約も白紙になるというルールになっています。
3. 中古住宅
最後に、中古住宅です。これは既に所有している人が、何かしらの理由で手放すことになった住宅を購入するというものです。 通常は、個人の所有者が売主となるため、業者の利益が上乗せされていないために、価格的には、安くなる傾向があります。 ただし、築後年数が経過していますので、建物がどのような状態であるのか?また、どのような施工をされて建った家なのかなどを、設計士などきちんとした専門家にみてもらうことは重要です。
特に、注文建築や新築分譲住宅には、引き渡しから10年間の瑕疵担保責任が義務付けられていますが、中古住宅ではそれがありません。(まれに、不動産会社等が売主となっている中古住宅では、2年間の責任期間があります) 引き渡しを受けてから3か月程度の保証期間しかない場合も多いために、購入前の段階でそのリスクをきちんと把握しておくようにしましょう。ただし、最近では中古住宅用の瑕疵担保責任保険が法整備されていますので、保険に入る事ができる住宅であれば、更に安心度も増すことでしょう。
理想の住まいを手に入れる!ポイント
自分の未来そして家族の未来にどんなイメージを描き、どんな生活を実現したいのか?家とは、それ自体が夢である以上に、もっと大きな夢を実現するための手段として考える方がいいでしょう。
ご自身の性格やタイプによってもどんな家が向いているか?について、向き不向きがあります。注文建築に代表されるように購入プロセスにおいて、時間や手間がかかるものから、建売住宅のようにお任せで出来上がるものまで様々です。 そして、日本人は欧米の人たちに比較して、DIYと呼ばれるような自分で家を手入れするという考え方がこれまでなかったと言えます。そういう意味ではマンションのような共用部の管理が第三者にお任せのような形もありかも知れません。
しかし、本来家は手を加えてきちんと維持管理することでこそ長持ちするものです。
適切な維持管理を行った家とそうでない家との差は、築後年数が経てば経つほど歴然と開いてきます。車を購入したとしても、オイル交換からタイヤ交換そして車検と、維持するためにいくつもの手間や費用をかけるものです。ぜひ、家についても購入後に楽しみながら手間や費用をかけてあげることで、その価値を維持し、長きに渡り住み継いで欲しいと思います。