空家が全国的な問題となっていますが、北陸地方の空家についての、現状と対策はどのようなものでしょうか。『北陸地方における空き家対策と取組事例』を元に、今回はその現状から、空家が増える原因について見ていきます。
高齢化率の増加
2010年から2040年までの人口の推移を、5年毎に表にまとめました。人口は全国・北陸地方ともに減少傾向ですが、減少率は北陸地方22.2%、全国16.3%と北陸地方の方が高くなっています。
人口総数
(/万人) | 2010年 | 2015年 | 2020年 | 2025年 | 2030年 | 2035年 | 2040年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
全国 | 12,806 | 12,660 | 12,410 | 12,066 | 11,662 | 11,212 | 10,728 |
北陸地方 | 464 | 451 | 437 | 419 | 401 | 381 | 361 |
65歳以上の人口
(/万人) | 2010年 | 2015年 | 2020年 | 2025年 | 2030年 | 2035年 | 2040年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
全国 | 2,948 | 3,395 | 3,612 | 3,657 | 3,685 | 3,741 | 3,868 |
北陸地方 | 119 | 134 | 140 | 140 | 138 | 136 | 137 |
※2040年の人口÷2010年の人口 これを100から引いた数
全国 10,728÷12,806=83.8 100-83.7=16.2%
北陸地方 361÷464=77.8 100-77.8=22.2%
次に高齢化率(65歳以上の人口÷人口総数)を見てみましょう。
高齢化率
(/%) | 2010年 | 2015年 | 2020年 | 2025年 | 2030年 | 2035年 | 2040年 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
全国 | 23.0 | 26.8 | 29.1 | 30.3 | 31.6 | 33.4 | 36.1 |
北陸地方 | 25.6 | 29.6 | 32.1 | 33.3 | 34.3 | 35.6 | 37.9 |
2010年から一貫して、北陸地方の高齢化率は全国を上回っています。今現在の状況から、北陸地方は高齢化の進行が早いといえます。
高齢世帯率の増加
世帯数も減少傾向です。
一般世帯数
(/千世帯) | 2010年 | 2015年 | 2020年 | 2025年 | 2030年 | 2035年 |
---|---|---|---|---|---|---|
全国 | 51,842 | 52,904 | 53,053 | 52,439 | 51,231 | 49,555 |
北陸地方 | 1,660 | 1,668 | 1,653 | 1,620 | 1,574 | 1,518 |
高齢世帯数
(/千世帯) | 2010年 | 2015年 | 2020年 | 2025年 | 2030年 | 2035年 |
---|---|---|---|---|---|---|
全国 | 16,200 | 18,887 | 20,060 | 20,154 | 20,111 | 20,215 |
北陸地方 | 581 | 669 | 704 | 702 | 687 | 672 |
次に、高齢世帯率(高齢世帯数÷一般世帯数)を見てみましょう。
(/%) | 2010年 | 2015年 | 2020年 | 2025年 | 2030年 | 2035年 |
---|---|---|---|---|---|---|
全国 | 31.2 | 35.7 | 37.8 | 38.4 | 39.3 | 40.8 |
北陸地方 | 35.0 | 40.1 | 42.6 | 43.4 | 43.6 | 44.3 |
高齢化率と同様、こちらも北陸地方が2010年から全国を上回る数値です。
以上のことから、北陸地方は65歳以上の人口と高齢世帯数の増加が全国平均と比べて高いことが、空家を多く発生させている原因といえます。このような状況と原因を受け、北陸地方では空家についてどのような取り組みを行っているか、次回お伝えします。
参考資料
- 国土交通省 北陸地方整備局 建政部『北陸地方における空き家対策と取組事例』(平成27年3月)
(注:北陸地方整備局の管轄は新潟県・富山県・石川県の3県)
1.北陸地方における空き家問題の現状と課題
1-3.空家の発生要因と考えられる人口減少・高齢化の進行