中古住宅のリフォーム減税制度|バリアフリーリフォーム版

バリアフリーリフォーム

今回より、中古住宅のリフォーム減税制度について解説します。どんな工事が対象?どんな税金が控除になるの?そんな疑問を全6回に分けて記事にしていきます。今回は、『中古住宅のリフォーム減税制度|バリアフリーリフォーム版』となります。

★その前に全体像を理解しよう!リフォーム減税制度とは

中古住宅を購入してリフォームを行うことで、5種類の税金を減額できる可能性があります。※個人、法人含む

  1. 所得税
  2. 固定資産税
  3. 贈与税
  4. 登録免許税
  5. 不動産取得税

リフォーム工事にも様々な種類があります。減税制度とリフォームの組み合わせをまとめました。

バリアフリーリフォーム以外もまとめてあります。

リフォーム種類 ❶所得税の控除 ❷固定資産税の減額※4 ❸贈与税の非課税措置 ❹登録免許税の特例措置 ❺不動産取得税の特例措置
リフォーム促進税制 住宅ローン減税
①耐震
②バリアフリー
③省エネ
④同居対応 △※1 △※1 △※1 △※1
⑤長期優良住宅化 △※2 △※2 △※2 △※2
⑥上記以外の増改築等工事 ―※3

※1 1号工事~3号工事に該当する場合に限ります。
※2 1号工事~3号工事、4号工事、6号工事に該当する場合に限ります。
※3 「リフォームの種類」①~⑤と併せて行った場合は対象になります。対象工事は1号工事~6号工事です。
※4 マンション長寿命化促進税制を参照

★バリアフリーリフォームの減税制度(所得税控除、固定資産税の減額)

介護認定

◆バリアフリーリフォームを行うと所得税控除、固定資産税で減税措置の概要

概要 所得税額の控除措置 固定資産税の減額措置
減税期間 リフォームを完了した年分のみ(1年) 翌年度(1年度分)
対象の住宅 1.50歳以上の方
2.要介護または要支援の認定を受けている方
3.障がい者の方
4.65歳以上の親族または2.もしくは3.に該当する親族いずれかと同居している方
1.65歳以上の方
2.要介護または要支援の認定を受けている方
3.障がい者の方
その他要件 1.併用住宅の場合、床面積の1/2以上が居住用であること
2.改修工事完了後6カ月以内に入居すること
3.改修後の床面積が50㎡以上であること
4.65歳以上の親族または2.もしくは3.に該当する親族いずれかと同居している方
1.併用住宅の場合、床面積の1/2以上が居住用であること
2.改修工事完了後6カ月以内に入居すること
3.改修後の床面積が50㎡以上280㎡以下であること
3.新築された日から10年以上を経過した住宅であること(賃貸住宅を除く)
対象のリフォーム 一定のバリアフリーリフォーム 一定のバリアフリーリフォーム
控除又は減額の上限額 60万円 家屋の固定資産税額の1/3
(100㎡相当分まで)
バリアフリーリフォーム費用の要件 1.標準的な工事費用相当額から補助金を控除した額が50万円超であること
2.居住部分の工事費が改修工事全体の費用の1/2以上であること(併用住宅の場合)
1.対象となる工事費用から補助金を控除した額が50万円超であること
手続きの窓口 税務署(確定申告) 市区町村(原則、工事完了後3ヶ月以内の申告が必要)

◆一定のバリアフリーリフォームの対象工事とは

  1. 通路幅の拡張
  2. 階段の勾配の緩和
  3. 浴室改良
  4. 便所改良
  5. 手すりの取付け
  6. 段差の解消
  7. 出入口の戸の改良
  8. 滑りにくい床材料への取替え

◆具体的な工事例を見てみましょう

❶通路幅の拡張
工事概要 具体的な工事例 備考
介助用の車いすで容易に移動するために通路又は出入口の幅を拡張する工事
  • 壁、柱、ドア、床材等の撤去や取替え等の工事
  • 通路や出入口の幅を拡張する工事と併せて行う幅木の設置、柱の面取りや、通路等の幅を拡張する工事に伴って取替えが必要となった壁の断熱材入りの壁への取替え等の一体工事
・工事後の通路や出入口の幅が、おおむね750mm以上

・浴室の出入口にあたってはおおむね600mm以上

❷階段の勾配の緩和
工事概要 具体的な工事例 備考
階段の設置(既存の階段の撤去を伴うものに限る)又は改良によりその勾配を緩和する工事
  • 従前の階段の勾配が従後の階段の勾配に比べて緩和されたことが確認できる工事
  • 階段の勾配を緩和する工事に伴って行う電気スイッチ、コンセントの移設等の工事は一体工事として含まれる。
  • 玄関の内側の階段の勾配の緩和と併せて行う玄関の外側の手摺の取付やスロープの設置など、本体工事と一体のものとしてバリアフリー化の効用を果たす設備の取替え又は取り付け
・踏板の拡張又は、蹴上を低くする
❸浴室改良
工事概要
(次のいずれかに該当するもの)
具体的な工事例 備考
イ 入浴又はその介助を容易に行うために浴室の床面積を増加させる工事
  • 壁、柱、ドア、床材等の撤去や取替え
  • 一体として行う給排水設備の移設等の工事
  • 浴室の床面積を増加させるための浴室の位置の移動
  • 一体として浴室の床面積を増加させる工事に伴って行う仮浴室の設置
  • 浴室の床面積を増加させる工事と併せて行う脱衣室の床面積を増加させる工事
・工事後の床面積がおおむね1.8㎡以上

・短辺の内法寸法がおおむね1,200mm以上

ロ 浴槽をまたぎ高さの低いものに取り替える工事
  • 浴槽をまたぎ高さの低いものに取り替える工事に伴って行う給排水設備の移設等の工事
ハ 固定式の移乗台、踏み台その他の高齢者等の浴槽の出入りを容易にする設備を設置する工事
  • 一体として固定式の移乗台等を設置する工事に伴って行う蛇口の移設等の工事
  • 【該当しない工事】設置に際し工事を伴わない福祉用具(バスリフト等)やすのこ等の設備の設置
ニ 高齢者等の身体の洗浄を容易にする水栓器具を設置し又は同器具に取り替える工事
  • 蛇口の移設、レバー式蛇口やワンプッシュ式シャワーへの取替え等の工事
  • 一体工事として蛇口を移設するための工事に伴って行う壁面タイルの取替え等
❹便所改良

 

工事概要
(次のいずれかに該当するもの)
具体的な工事例 備考
イ 排泄又はその介助を容易に行うために浴室の床面積を増加させる工事
  • 壁、柱、ドア、床材等の撤去や取替えや一体として行う給排水設備の移設等の工事
  • 便所の床面積を増加させるための便所の位置の移動や一体として便所の床面積を増加させる工事に伴って行う仮浴室の設置
・工事後の長辺の内法寸法がおおむね1,300mm以上

・便器の前方若しくは側方における便器と壁との距離がおおむね500mm以上であるもの

ロ 便器を座便式のものに取り替える工事
  • 和式便器を洋式便器(洗浄機能や暖房機能等が付いているものを含む)に取り替える工事
  • 一体工事として便器を取り替える工事に伴って行う床材の変更等の工事
  • 【該当しない工事】取り外し可能な腰掛け便座への取替え
ハ 固定式の移乗台、踏み台その他の高齢者等の浴槽の出入りを容易にする設備を設置する工事
  • 便座のかさ上げ、取替え等により便座の座高を高くする工事
  • 一体として座高を高くする工事と併せて行うトイレットペーパーホルダーの移設等の工事
  • 【取り外し可能な】腰掛け便座(洋式便器の上に設置して高さを補うもの)の設置
❺手すりの取り付け
工事概要 具体的な工事例 備考
便所、浴室、脱衣室その他の居室及び玄関並びにこれらを結ぶ経路に手すりを取り付ける工事
  • 一体工事として手すりを取り付ける工事に伴って行う壁の下地補強や電気スイッチ、コンセントの移設等の工事
  • 玄関の内側の階段の勾配の緩和や段差解消と併せて行う玄関の外側の手すりの取り付けなど、本体工事と一体のものとしてバリアフリー化の効用を果たす設備の取替え又は取り付け(併せて行うことが必ずしも必要でないものを除く)
  • 【該当しない工事】取付に当たって工事(ネジ等で取り付ける簡易なものを含む)を伴わない手すりの取り付け
・手すりを転倒予防若しくは移動又は移乗動作に資することを目的として取り付けるものであること
❻段差の解消
工事概要 具体的な工事例
便所、浴室、脱衣室その他の居室及び玄関並びにこれらを結ぶ経路の床の段差を解消する工事
(勝手口その他屋外に面する開口の出入口及び上りかまち並びに浴室出入口にあっては、段差を小さくする工事を含む)
  • 敷居を低くしたり、廊下のかさ上げや固定式スロープの設置等を行う工事
  • 一体として廊下のかさ上げ工事に伴って行う下地の補修や根太の補強等の工事
  • 玄関の内側の段差解消と併せて行う玄関の外側の手すりの取り付けやスロープの設置など、本体工事と一体のものとしてバリアフリー化の効用を果たす設備の取替え又は取り付け(併せて行うことが必ずしも必要でないものを除く)
  • 【該当しない工事】取付に当たって工事(ネジ等で取り付ける簡易なものを含む)を伴わない手すりの取り付け
❼段差の解消

 

工事概要 具体的な工事例
イ 開戸を引戸、折戸等に取り替える工事 開戸を引戸、折戸、アコーディングカーテン等に取り替える工事
ロ 開戸のドアノブをレバーハンドル等に取り替える工事 開戸のドアノブをレバーハンドルや取手など開閉を容易にするものに取り替える工事
ハ 戸に戸車その他の戸の開閉を容易にする器具を設置する工事 引戸、折戸等にレール、戸車、開閉のための動力装置等を設置する工事や開戸を吊戸方式に変更する工事
❽滑りにくい床材料への取替え

 

工事概要 具体的な工事例
便所、浴室、脱衣室その他の居室及び玄関並びにこれらを結ぶ経路の床を滑りにくいものに取り替える工事
  • 一体工事として床の材料の取替えに伴って行う下地の補修や根太の補強等の工事
  • 【該当しない工事】滑り止め溶剤の塗布やテープシールの貼付けによる表面処理のみを行うもの

★補助制度|介護保険の給付対象となる住宅改修工事を実施する場合

住宅改修費の保険給付対象限度額20万円から、自己負担額1〜3割を除いた金額が支給されます。
(※上限20万円に対し7〜9割の金額が支給されるため、給付される金額は最大18万円)

バリアフリーリフォームの手順としては以下となります。

  1. 地域包括支援センター等に事前相談
  2. 介護認定を申請
  3. 介護認定後にケアマネージャー相談の上、リフォーム計画を立てる
  4. 補助金事前申請~工事着工
  5. 工事完了後に補助金の交付請求
  6. 減税申告・確定申告

補助金を受ける為には、事前に申請が必要となります。また、減税や控除を受けるためには、増改築等工事証明書などの書類が必要となりますので、工事業者で発行できるか事前確認をしておくと良いでしょう。

減税制度については、住宅リフォーム推進協議会のリフォームのお得な制度のページをご確認ください。
弊社のリフォーム部門『住まいるオスカー』の介護リフォームの部屋別リフォームポイントも参照ください。

執筆者

株式会社OSCAR オスカー不動産(アピタ金沢店)

加賀谷貴志 お問合せはこちら

2004年新卒入社後、工事管理、リフォーム営業、商品開発などの業務を歴任。2015年より中古住宅のインスペクション業務(検査)を担当。現在は不動産事業の仲介業務を担当。保有資格(宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、二級建築士、既存住宅状況調査技術者、耐震診断・耐震改修技術者)

 

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