家、土地の売却相場っていくら？自分で相場を調べる５つの方法

家や土地を売却しようと検討されている方は、いくらくらいで売却が可能なのか、相場価格がどれぐらいの金額なのか気になっている方も多いのではないでしょうか？そこで今回は、売却相場を自分で調べる方法を５つご紹介します。

この記事は富山県・石川県で不動産売買・仲介業を行うオスカー不動産が記事を執筆しております。

不動産相場

はじめに、不動産の相場価格を調べるうえで重要な用語をご紹介します。

売出価格と売却価格

それぞれ不動産の価格を表す言葉ですが、意味合いは下記のとおり異なります。

売出価格＝不動産を売り出した時の価格。売主は自由に値付けしてよい。
売却価格＝場合により価格交渉が行われ、売主・買主双方が合意した実際に売却される時の価格。

不動産の売買では価格交渉が行われることがあり、その結果、売出価格と売却価格が異なるということがよくあります。レインズ・マーケット・インフォメーションで調べたところ、売出価格は売却価格より1割ほど高くなっているようです。なので相場を調べる場合は、実際に売買が成立した売却価格を調べるようにしましょう。このことをご理解いただいたうえで、売却相場を調べる方法として以下の５つをご紹介します。

不動産一括査定サイトで調べる
レインズ・マーケット・インフォメーションで調べる
固定資産税評価額から調べる
築年数と売却価格の平均を参考にに調べる
都道府県ごとの平均単価から調べる

これより、それぞれの方法について順に詳しくご説明します。相場価格の正確性や調べるのに必要な時間はそれぞれ異なりますので、内容をご確認いただき、ご自身にあった方法を選んでください。

①不動産一括査定サイトで調べる

	金額の正確性	調べる時間
不動産一括査定サイト	◎	◎

適正な売却相場を手間無く知りたいという方は、不動産一括査定サイトの利用がおすすめです。

一度に複数の不動産会社に査定依頼ができ、その結果を比較しながら相場感を掴むことができます。不動産会社に調べてもらう間は、結果を待つだけなので苦労はありません。もちろん不動産のプロが査定するため、精度の高い売却相場を教えてもらうことができます。実際に売却を考えている際にはおすすめです。

ただし、査定依頼を受けた不動産会社から、電話等で査定に関する問い合わせがあったりもするので、その点については注意が必要です。まだ不動産売却に関する情報収集の段階、興味があるだけで不動産会社に相談するのは怖いということであれば、このあと紹介する４つの方法をおすすめします。

②レインズ・マーケット・インフォメーションで調べる（※住宅に限る）

レインズマーケットインフォメーション

引用：REINS Market Information

	金額の正確性	調べる時間
レインズ	○	×

レインズ・マーケット・インフォメーションとは…

国土交通大臣が指定する不動産流通機構が運営する不動産取引情報提供サイトです。全国４つの指定流通機構で構成されている全国指定流通機構連絡協議会が保有する、実際に売買が行われた物件の価格（成約価格）等の取引情報を検索することができます。

レインズというと不動産会社だけが閲覧することのできるサイトになりますが、このレインズ・マーケット・インフォメーションは誰でも過去の不動産売買の成約事例を閲覧することができます。売却を検討している住宅に近い条件にて検索を行い、過去の成約事例を参考に相場を掴むことができます。

デメリットとしては、自身で検索を行い、売却を検討している物件に近い事例を見つける必要があるので、初めて調べる際は難しく感じるかもしれません。

③固定資産税評価額から調べる

計算する

	金額の正確性	調べる時間
固定資産税評価額	△	○

固定資産税評価額とは…

固定資産税を算出するための基準となる評価額のこと。各市町村が３年に一度設定します。毎年春ごろに請求される固定資産税の請求書にて確認することができます。

固定資産税評価額は不動産の売却相場の７割ほどに設定されているので、以下のように計算することができます。

固定資産税評価額÷０．７＝売却相場

住宅は現在の物件状況に応じて価値が上下しますが、状況に左右されることが少ない土地の売却相場を調べるのにおすすめです。

ただし、人気のあるエリアでは売却相場よりも高い金額（相場の1.5倍）で取引されているケースも多くあるので、エリアによっては注意が必要です。

④購入価格と築年数、売却価格の平均を参考に調べる

	金額の正確性	調べる時間
築年数と平均売却価格	△	○

とりあえず、手間をかけず簡単に住宅のおおよその売却相場を確認したいという方におすすめです。新築して年数の浅い築浅住宅については価値がほとんど下がっていないと仮定したうえで、平均売却価格の推移から価値の下落率を計算しました。石川県を例に挙げると以下のとおりとなります。

●中古戸建住宅の築年数と平均売却価格【石川県】

築年数	平均売却価格	下落率	事例）購入価格3,000万円の住宅の売却相場
-5年	2,609万円	100.0%	3,000（万円）×1＝3,000万円
6-10年	2,470万円	94.7%	3,000（万円）×0.947＝2,840万円
11-15年	2,180万円	83.6%	3,000（万円）×0.836＝2,507万円
16-20年	1,624万円	62.2%	3,000（万円）×0.622＝1,867万円
21-25年	1,578万円	60.5%	3,000（万円）×0.605＝1,814万円
26-30年	1,494万円	57.3%	3,000（万円）×0.573＝1,718万円
31-35年	1,357万円	52.0%	3,000（万円）×0.520＝1,560万円
36年-	948万円	36.3%	3,000（万円）×0.363＝1,090万円

引用：中部レインズ（公益社団法人中部圏不動産流通機構）より

この表を参考に、購入価格×下落率＝売却相場として計算してみてください。

ただし、注意点として直近の不動産の取引状況や対象となる不動産の現況を考慮していないため、算出された価格が本来の売却相場と大きく異なる可能性があります。あくまで、おおまかな相場価格を掴むものとしてお考えください。

⑤都道府県ごとの平均単価から調べる

	金額の正確性	調べる時間
平均単価	△	○

④と同様に、簡単におおよその相場を確認したいという方におすすめです。当初の購入価格が分からない場合にはこちらの方法をお試しください。建物面積（坪数）と売却価格の平均から1坪あたりの平均単価を計算します。石川県内では以下の結果となりました。

●中古戸建住宅の平均建物面積と平均売却価格【石川県】

平均建物面積	平均売却価格	平均単価	事例）延床面積40坪の住宅
35.7坪	1,887万円	52.9万円	40（坪）×52.9（万円）＝2,115万円