2024年11月1日に記載内容を更新し、2024年7~9 月期のデータを追加しました。
この記事は、中部圏不動産流通機構(通称:中部レインズ)の中部圏流通市場の動向から、石川県内の不動産売買における取引の傾向、取引価格の分析を行っております。
公益社団法人中部圏不動産流通機構
1.石川県 土地(100~200 ㎡) <2024年7~9月期>
在庫件数はさらに上昇へ!件数倍率は6.83倍
件数の推移を見てみると、2022年第4四半期より在庫件数の増加が続いております。2024年第2四半期のデータでは、一旦下落したいたが第3四半期のデータでは再度上昇しております。成約数は低水準で推移しており、前年同期比こそ6期連続で増加しておりますが、コロナショック後、建設コストが増加し、建築費の増加により注文住宅需要が減っていることが、成約数が伸びない要因と思われます。、件数倍率(新規登録件数÷成約件数)は6.83倍とやや低下しました。
成約価格の乖離が続く
価格の推移を見てみると、成約価格(売却価格)と新規登録価格との乖離が目立ちます。2023年第2四半期は乖離率が最大30%もあり、土地単価の高い物件(金沢市、野々市市、白山市)に人気が集中している可能性があります。2024年第3四半期ではその乖離率は、19.2%とやや収束してきております。金沢市、野々市市、白山市などの主要地区は地価公示、地価調査価格なども上昇しており、成約価格(売却価格)も比例して上昇傾向です。
2.石川県 中古戸建住宅 <2024年7~9月期>
在庫件数は、高水準
在庫件数の推移を見てみると、2022年第2四半期をボトムに在庫件数が増えていき、2023年第4四半期まで増加が続きました。2024年第3四半期には再度上昇へ転換しました。成約件数は、前年比で7期ぶりに減少になりましたが新築戸建ての需要減から中古住宅の需要増加が続くと思われます。成約率(成約件数/在庫件数)は前月の2.5%から2.2%に低下しました。
成約価格は前年比より上昇継続
成約価格(売却価格)は前月の2,081万円から1,908万円と前月比では下落となりましたが、前年比からは10.9%上昇と3期連続上昇となりました。金沢市、野々市市、白山市などの主要地区は地価公示、地価調査価格なども上昇しており、中古住宅の成約価格(売却価格)も比例して上昇傾向です。
3.新築戸建(石川県)成約・在庫価格推移
在庫件数はピークからは減少、成約件数は年平均26件を推移
在庫件数を見てみると2024年5月の303件をピークに減少傾向になっております。成約件数は、2024年7月の40件をピークに2024年8月は16件、9月は17件と反動減となりました。
在庫価格は下落傾向!成約価格の上昇下落は、季節性要因・在庫調整が関係?
在庫価格は、2024年1月にピークの3,061万円を付けて下落傾向が続いておりますが、7月の2,911万円をボトムに2か月連続で上昇に転換しました。成約価格は、2023年10月の2,955万円ピークに1月、2月と大幅な下落が続き、季節的な需給と在庫調整(大幅な値引き)が合ったと思われます。その後は2,800万円台~2,900万円台を推移しています。
4.不動産の売却・購入のご相談はこちら
市町村、町名単位で売却事例を検索したい場合は、国土交通省が管理するサイト『不動産ライブラリ』から売却事例を検索できます。「土地の成約事例」、「土地建物の成約事例」などが検索出来ます。検索方法は、トップページより『不動産価格(取引価格・成約価格)情報の検索・ダウンロード』をクリックし、条件検索が出来ます。また公示価格、地価調査価格、路線価などを調べたい場合は、『全国地価マップ』がおすすめです。
株式会社OSCAR オスカー不動産(アピタ金沢店)
加賀谷貴志 お問合せはこちら
2004年新卒入社後、工事管理、リフォーム営業、商品開発などの業務を歴任。2015年より中古住宅のインスペクション業務(検査)を担当。現在は不動産事業の仲介業務を担当。保有資格(宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、二級建築士、既存住宅状況調査技術者、耐震診断・耐震改修技術者)