不動産売却にかかる費用とは!計算方法から目安まで簡単解説

不動産の売却をご検討中の皆さんは、不動産を売却する際、さまざまな費用が必要になることをご存じでしょうか?

不動産会社に支払う仲介手数料や税金などが主なものとして挙げられますが、そのほかにも不動産の状態によって必要となる費用も存在します。また税金の中には一定の条件を満たすことによって控除が受けられ、納税額が少なくなることがあります。

今回は、不動産の売却をご検討中の皆さんへ、費用の計算方法や相場、税金の控除までくわしく説明していきます。この記事は富山県・石川県で不動産売買・仲介業を行うオスカー不動産が記事を執筆しております。

不動産相場

まず代表的な不動産売却に要する手数料と費用としては次の5つとなります。

  1. 仲介手数料
  2. 譲渡所得税
  3. 印紙税
  4. 住宅ローン返済手数料
  5. 登記費用

今回は上記の代表例5つに加えて、その他、必要となる場合がある費用も併せてご説明いたします。

① 仲介手数料

仲介手数料は不動産会社に不動産売却を依頼して、取引が成立した際に発生します。支払い時期は物件の引渡し(登記移転)の際が一般的です。現状、多くの人が不動産を売却するときに不動産会社に依頼するので、ほとんどのケースで仲介手数料を支払う必要があります。なお、仲介手数料には以下のように上限額が定められています。

売却価格 仲介手数料(税込み)
200万円以下 売却価格×5.5%
200万円超から400万円以下 売却価格×4.4%+2.2万円
400万円超 売却価格×3.3%+6.6万円
  • 【計算例:売却価格が1,000万円の場合】
    1,000万円×3.3%+6.6万円=39.6万円(税込)

以上のとおりとなります。

ただし、800万円以下の不動産を売買する際の特例が以下のとおり定められましたので、特例に該当する場合には注意が必要です。

○低廉な空家等の売買取引における媒介報酬額の特例

特例が適用されるのは長期間空き家であり、かつ築年数を重ねた住宅や土地を売却する場合です。

この特例では、30万円 + 消費税(=33万円)が仲介手数料の上限額となります。

増加する空き家問題への対策として、不動産会社が受け取れる仲介手数料を引き上げ、空き家の流通の活性化を図ることを目的として定められました。交通費や調査費用が高額になると想定される、「遠方にある実家を売却する場合」、「老朽化が進み建物が傷んでいる場合」には、売却に必要な経費が仲介手数料に上乗せされる点にご注意ください。

② 譲渡所得税

不動産を売ったときに出た利益を「譲渡所得」といいます。利益が出た場合には、確定申告をし、譲渡所得税という税金(所得税、住民税)を支払います。不動産を売却しても利益が出なかった場合には、税金は発生しません。課税対象になる譲渡所得(利益)は、売却金額そのものではなく、さまざまな費用を差し引いた分に対してかかります。譲渡所得の出し方は、以下のとおりです。

  • 譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)

この譲渡所得に課税されるのが譲渡所得税になります。

譲渡所得にかかる税金

譲渡所得税は正式名称ではなく、譲渡所得にかかる所得税、住民税を合わせたものを指します。

所得税は国に納める国税、住民税は都道府県や市区町村などに納める地方税です。また、所得税には復興特別所得税が含まれます。復興特別所得税は2011年の東日本大震災の復興支援の財源として使われる税金で、2037年まで所得税に加算される2.1%の加算分を指します。

所有期間による税率の違い

譲渡所得税の税率は、不動産を所有していた期間が5年以下か、5年超かによって異なります。

所有期間は売却した年の1月1日時点を基準として、5年以下の不動産を売却した場合は「短期譲渡所得」、5年超であれば「長期譲渡所得」となり、税率は長期譲渡所得の方が低くなっています。短期の売買で税率が高く設定されているのは、投機目的で土地を短期売買することを抑制する目的があるためです。

参考:国税庁 No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)

種類 対象期間 税率
短期譲渡所得 所有期間5年以下の土地・建物 39.63%(所得税 30.63% 、住民税 9%)
長期譲渡所得 所有期間5年を超える土地・建物 20.315%(所得税 15.315% 、住民税 5%)
  • 【計算例:譲渡所得が600万円の場合 ※長期譲渡所得】
    600万円×20.315%=121.89万円(税込)

不動産売却時の税制特例の記事はこちら
>居住用財産の3000万円控除とは?適用要件と手続きの流れを解説!
>空き家の譲渡所得の3000万円控除とは?
>10年超所有軽減税率の特例?適用要件と手続きの流れを解説!

③ 印紙税

不動産の売買契約書は印紙を貼らなければならない課税文書と呼ばれる書類です。印紙税は、売買契約書に記載する売買代金に応じて決まります。印紙税額一覧は下表の通りとなりますので参考にしてください。

参考:国税庁 不動産売買契約書の印紙税の軽減措置

契約書に記載する売買金額 本則 軽減税率※
1万円未満 200円 非課税
1万円以上10万円以下 200円 200円
10万円超50万円以下 400円 200円
50万円超100万円以下 1,000円 500円
100万円超500万円以下 2,000円 1,000円
500万円超1,000万円以下 10,000円 5,000円
1,000万円超5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万円超1億円以下 60,000円 30,000円
1億円超5億円以下 100,000円 60,000円
5億円超10億円以下 200,000円 160,000円
10億円超50億円以下 400,000円 320,000円
50億円超 600,000円 480,000円
金額の記載のないもの 200円 200円

④ 住宅ローン返済手数料

住宅ローンを一括返済する際に金融機関に支払う事務手数料のことです。不動産の売却をする際、ローンが残っていると売却ができないので、住宅ローンの残債を一括で支払ってから売却をします。この一括返済には、一般的に不動産の売却代金を充当することが多いです。

手数料は金融機関によって違いがありますが、目安として4万円程度になります。また、インターネットで手続きすると無料になるケースもあります。詳しくは、住宅ローンを組んだ金融機関ホームページ・住宅ローンの規約資料などを参照の上、借入先の銀行に問い合わせが必要です。

⑤ 登記費用

不動産を売却するとき、登記に関連する費用が発生するケースがあります。主なものとして、不動産に抵当権が設定されているケースが挙げれます。不動産購入時に住宅ローンを組んでいた場合に抵当権抹消登記の費用がが発生します。この費用の内訳は、登録免許税と司法書士費用になります。

登録免許税

抵当権抹消の登録免許税は、不動産1つについて1,000円です。住宅を例として、土地と建物両方の登記を抹消する場合は、合計で2,000円かかります。

司法書士費用

抵当権抹消登記における司法書士費用の目安は3~4万円程度とみておくと良いでしょう。なお司法書士費用には消費税が加算されます。

その他の費用

測量費用

不動産を売却するとき「測量費用」が発生するケースがあります。これは、隣地との境界がはっきりしていないときなどに、土地家屋調査士を入れてきっちり測量し直し、境界確認書を作成するための費用です。測量には、「現況測量」と「確定測量」があります。土地の広さなどにもよりますが、一般的に確定測量費用は20~40万円程度かかり、売主側が負担します。

解体費用

一戸建ての売却では、築年数が古い建物を解体して更地にして売るほうが高く売れることがあります。更地のほうが売りやすい場合や、買い主が建物の解体を希望している場合は、家屋の解体が必要になります。家屋がある土地を売る場合、売却の手段によっては家屋の取り壊し費用が必要です。一般的な木造住宅の解体費用の総額は、おおよそ200万円~300万円くらいが相場となっております。地元の解体業者2社以上の見積依頼をして費用を把握しておきましょう。

家財等の処分費用

住宅を売却する際、「そのまま住宅として売る」または「建物を解体して土地として売る」という2つの選択肢がありますが、いずれの場合でも家財道具は処分することが必要です。

家財道具処分費用を削減するためには、自分で捨てられるものは極力捨てるということがコツです。ただし、多くの自治体は粗大ゴミを捨てるのが有料となっています。廃棄が可能な日にちも指定されていることが多いです。そのため、自力で捨てる場合でも、費用はゼロではありませんし、廃棄日を狙って計画的に処分していく必要があります。完全に自力で全てを捨てるのは限界もありますので、片付け専門の会社を効果的に利用すると楽になります。

一軒家の場合、家財道具処分費用の相場は、専門会社に依頼した場合で20万円~50万円程度となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?このように不動産の売却では「仲介手数料」をはじめとした、多くの費用が発生します。不動産を売却される際は、ご紹介した計算式、目安にてどのくらいの費用がかかるのか確かめておきましょう。そのうえで、不動産会社と一緒に販売価格を決定すれば、最終的に手元に多くのお金を残すことも難しくありません。不動産売却にかかる費用をあらかじめ理解し、賢く売却しましょう。

最後に、今回ご説明いたしました費用のことなど不動産売却についてご不安な点がありましたらオスカー不動産までお気軽にお問い合わせください。専門スタッフが丁寧にご対応いたします。

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