空き家対策「空家法」の手順と対処方法

前回の記事では、空家対策のために施行された『空家等対策の推進に関する特別措置法』(以下、「空家法」)の概要についてお伝えしました。今回は、その具体的な施策について見てきましょう。

 

「空家等」か「特定空家等」か

 

市町村が空家等対策計画としてまず行うのが、空家調査と現況の把握です。空家の所在や所有者の把握するために、調査や情報提供を求めます。ここで、「空家等」か「特定空家等」か、選別されます。以下にその定義を記します。

「空家等」とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地をいう(「空家法」2条1項抜粋)

「特定空家等」とは、

  1. 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
  2. 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
  3. 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態
  4. その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することは不適切である状態にあると認められる空家等をいう(「空家法」2条2項)。

これで「特定空家等」に認定されると、措置の実施のため立入調査が行われます。逆に「空家等」であれば、調査は行われません。

「特定空家等」に認定されるとどうなる?

「空家法」により、最終手段として強制対処が取られますが、いきなり行われるのではなく、段階的な手順を踏みます。

「空家法」第14条によると、
改善への助言と指導→(改善がなければ)勧告→(勧告でも改善されなければ)命令→(期限までに改善が完了しなければ)→強制対処勧告の対象になると、固定資産税の特例対象から外されます(最大で4.2倍に増額)。

ですので、助言や指導の時点で何らかの対策を立てる必要があります。また、命令を受けて改善に着手すればよいのではなく、猶予期限までに改善を完了しないといけません。もちろん、過料(罰金より軽い)も適用されます(「空家法」第16条)

「特定空家等」認定を避けるために

空家を所有しているのであれば、まずはお住まいの自治体に相談してみましょう。担当部署がありますし、所有者の方から連絡があれば、税金を使って調査する手間も省けるため、対処方法を教えてくれるはず。所有している空家の現在の状況を自治体に判断してもらったうえで、今後の対応を検討しましょう。

参考資料

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